◇9◇ 絵画コンクール

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   「さぁ、そろそろ寝ましょうか?」 「月依・・・・・・」 「なぁに。最近は、誘っても上の空だったのにどうしたの?」  甘く耳元で囁かれるのは、悪い気がしない。低くて通る彼の声は、美しい。 「今夜は・・・シたい、です。」 「ふふ。敬語になってる。」 「茶化さないで、訊いて。」 「いいわよ。でも、ペースを速めないでね。」  背中に回していた腕を首に回し変えて甘く囁き返す。 「判った。 (あと、何回・・・。  あと、何回・・・この肌に触れるのかな。いつか他の誰かのモノになったときに祝福出来るだろうか・・・)」  唇を重ねながら考える。答えなどドコにもない。  いつものように肌にも唇を堕として惜しむように触れる。  》 》  未来は、残酷な結果しかもたらさなかった。  それでも想いだけが降り積もる。  あの声。あの肌に・・・触れたい。   
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