◇9◇ 絵画コンクール

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   「そうだ。こないだ、瑠々が来たぞ。」 「(話しそらしたわね。)   そう。元気にしていた?」 「してたよ。安定期にも入って顔を見せに来てくれた。」 「そう。」 「お前に宜しくって。」 「どの口で。  まぁ、いいわ。もう関係がないし。」 「そろそろ意地を張るのを止めたらどうなんだ。結局形だけしか籍なんか離れられないんだから。」 「マスターみたいになるから?」  出されたお酒を受け取り切り返した。 「月依・・・本気で心配してるんだぞ。」 「ありがとう。でももう、瑠々に逢えないし逢いたくないの。きっと一生許せない。  そんな簡単な話しじゃなくなっちゃたのよ。」  クイッとグラスを空ける。 「いまは、あの子を育てたいのよ。」 「そうか。」  頑なな姪に折れるしかなかった。 「なんだか顔色が悪いな。具合でも悪いのか?」   
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