◆10◆ 忍び寄る別れの魔の手

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    どうにもならないが誰かに話しを訊いてほしかった。 「本当に申し訳なく思います。」 「燵夜・・・」  どうにもしてやれないことが苦しかった。 「俺に〝なにを〟頼みに来たんだ?」  苦しむ青年の目的を理解した。 「マスターは、月依さんの伯父だそうですね。」 「ああ、DNA上は・・・な。」 「だったら、月依さんを支えてくれますか?」 「もちろん。」 「ありがとうございます。別れると決めた日に初めて俺に〝愛を誓って〟くれたんです。  それなのに・・・その誓いに俺は、応えられません。」  うな垂れて涙をグッとこらえる。 「辛いな・・・」  そっと肩に手を当てた。 「大丈夫、俺があの子に付いてるから。」 「ありがとう、ございます。」 「燵夜、2人で逃げる道もあるんだぞ。」 「マスター・・・」   
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