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月は、地球の近くで、その行いを見続けていたのです。
どの星に対しても分け隔てなく接し、地球に住む民を姿かたちで差別することなく愛していました。
目を背けたくなるような醜い形の民や恵みを与えたくないと思うような残酷な生態系の民でさえ、地球は平等に愛していたのです。
そんな清らかな地球と、自分が世界の中心で、敬われて当然と自惚れている太陽は釣り合わないと感じていました。
月の中で、地球は神格化され、敬意のような念を抱いていたのでしょう。
ですが、地球にとっては、月の思いは重たく、また太陽からの求愛も一方的なものでしかありませんでした。
地球は、月と太陽に、ただただ迷惑していたのです。
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