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ネオンを罪人にしないため、気持ちの区切りをつけさせようとしてのことだった。
自分が介入すれば、、ネオンが奮起するのではないかという望みに賭けて。
張り合う相手がいるからこそ、高みを目指せることを彼女はよく分かっていたから。
それを見た瞬間、ネオンの中から何かが落ちた気がした。
それが何であるかは分からない。主への恋慕はまだ残っているけど、前を向いて、歩いていかなければいけないような気がしたのだ。
ネオンはうつむきながらも、立ち上がる。
「帰らなければ」──その気持ちが芽生えたから。
ネオンはもう湖面を見つめることはなかった。
次はいつ訪れるか分からない召喚の時を待つため、使い魔たちが集う故郷へと転移してゆく。自ら帰る道を選んだのだ。
湖面には、まだライバルの使い魔が映っていたが、ネオンの転移を見届けると安心したように笑い、そして、消えていった。
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