はじめまして、僕はあなたが大好きです

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はじめまして、僕はあなたが大好きです

 ジリリリリ、と鳴る目覚ましの音で、私は目を覚ました。  目覚まし時計のスイッチを止めると、いつも通りPCの電源を入れる。……やけに大きく設定された起動音が部屋に響いた。 「うるさい……。なんでこんなに大きくしたんだろ」  音量を下げながら、日課であるメールのチェックとモニターに貼りつけた付箋を確認した。 「今日の予定は……っと」  一人暮らしを始めた時に大事なことを忘れないようにと始めたけれど、そのおかげで何か忘れていることがあっても思い出せる。  ゴミの日や書類の提出期限、その他にもいろいろ……。困った時に手を差し伸べてくれる――たとえば両親がいてくれれば困ることもないのだろうけど、その両親は私にはいない。……今はもういない両親の存在に思いを馳せようとした。――けれど、母親も、そして父親すらももう思い出すことは出来なかった。 「……今日の予定、確認しなくちゃ」  胸がざわつくのを抑えながら、私はPCの画面に視線を向けた、 「えーっと、あれ? 高橋さんからメールが来てる」  メール着信と書かれたポップアップには、お世話になっている出版社の人からメールが届いていることが表示されていた。     
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