はじめまして、僕はあなたが大好きです

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◇◆◇ 「あの……」  突然の言葉に戸惑う私に、その人はふっと柔らかく笑った。 「すみません、急に言われてビックリですよね。僕は大沼といいます。大沼飛鳥(おおぬまあすか)です。……僕のこと、知ってますか?」 「いえ……。あの、でも……新しい担当さん、じゃないんですか……?」 「――そうです」  一瞬、笑顔が翳った気がした。けれど、彼――大沼さんはすぐにニッコリと微笑むと名刺を私に手渡した。。 「あ、高橋さんから連絡いってましたか?」 「はい、今日挨拶に来るって。……わざわざ遠いところすみません」  念のため、名刺に書かれた名前を確認する。……確かに、この人で間違いないようだ。 「突然すみません。是非お会いして挨拶をと思って。僕、片桐先生の作品が大好きなんです」  ああ、それで――。先程の唐突な告白は、作品のことだったんだ……。あんなふうに言われることなんてなかったから、一瞬焦ってしまった。 「そうなんですね、ありがとうございます」 「今回こうやって担当になれて嬉しいです。僕にできることがあれば何でも言ってくださいね!」  ニッコリと笑うと大沼さんは上がってもいいですか? と私に尋ねた。     
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