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 嘘で固められたような出会いだけれど、この出会いが本物になることを願って。  いつの間にか私は泣いていた。  辛い失恋が終わったんだと教えてくれるかのように、涙が止まらなくなった。 「莉子さん?」  嘘つきだって幸せになりたい。  あなたは手伝ってくれますか?  私が愛してもいい人ですか? 「あなたに全て話したいです」 「僕でよければ」  もう一度、恋がしたい。  嘘みたいに優しいあなたをもっと好きになる気がする。 「降りましょうか」 「はい」  やっと私は新しい駅に降り立った。  END
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