第1章

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 迷子センターの職員は途方に暮れていた。ずっと、壊れた人形のように、同じ言葉を繰り返す母親がいるからだ。すでに泣きつかれた表情。気持ちは痛いほど分かるが、服装・年齢・髪型等を聞き出したいが錯乱しており手が付けられない。警察に連絡し、母親について相談。こちらまで向かってくるそうだ。センター内に、もう数えることも辞めた同じ言葉が響き渡る。  「娘は先天性の弱視なんです!!ほぼ、周りの景色が見えません.......私の顔も見えているか分からない時がある程です......少し、トイレに行ったばかりに、こんな。こんな......ああああああああ!」
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