鳴いていた子猫

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 我が家には過去にも捨てられた子犬や子猫など色々拾ってきては育てていたが、今回の子猫は今まで違う普通ではありえない場所に捨てられていたというか、鳴いていた。 これはその最初に子猫ちゃんを捕獲したドライバーさんの話によると その鳴いていた場所はというと、親が務めている運送会社のトラックの荷台に、まだ目も見えないちゃんこい雪のような真っ白な子猫ちゃんが「ニャーン」「ニャンーン」「ニャーン」と毛筋をブルブルと震えながら鳴いていた。 最初は子猫ちゃんを、運送会社の事務所で飼おうという事になっていたみたいだが、既に事務所には猫三匹と、犬が一匹いる状況なので誰か育てる人はいないかという話になった。 そこで最初に手をあげたのが、うちの親だったというわけだ。 、「ニャーン」「ニャーン」と上着の小さなポケットの中に、まだ目も見えていない、それはとても、とても小さな真っ白な子猫ちゃんが我が家にやってきた。その時には名前はまだ決まっていなかったが、とても「ラッキーな猫」なので、名前を「ラッキー」とすることにした。 最初こそは、ラッキーは人に対して警戒していたようだったが、目がパッチリと見えるようになると「ニャーン、ニャーン」と鳴きながら体をすりすりと寄せてきたり、「ゴロン、ゴロ、ゴロン、ゴロ」と喉を鳴らしながら寄ってきたりなど人間になつくようになってきた。 月日は流れて、一年、二年、三年、四年、五年が経過し、あの頃に拾ってきた真っ白な子猫は、 立派な「親猫」になった。出掛ける時や、帰ってくると玄関の前で送り迎えしてくれたり、子猫のときのように「ゴロン、ゴロ、ゴロン、ゴロ」と喉を鳴らしがら寄ってきたりする。 そして今、僕がパソコンの前で執筆中なのに、「ゴロン」と寝転がり、遊んでよといってるかのように「ゴロン、ゴロ、ゴロン、ゴロ」と喉を鳴らしながら邪魔をしている。丁度書き終わったし、今から「ラッキーと遊ぼうかな」
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