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「……」
と無言で踵を返した。
アーニャがクルリと踵を返したところで魔術の風で吹っ飛ばされたはずの三人のチンピラのうちの一人がゆっくりと立ち上がる。
それに気付き、男性の一人が再び、チンピラへと手をかざし、何かを唱えようとした。
が、それよりも早く、もう一人の男性が動く。
もう一人の男性は長剣を振りかざしながら、チンピラ目がけ走っていった。
「ゲイン!?」
それを目にした男性は唱えようとしていたのを途中で止め、声を上げる。
ボルと呼ばれた男性は振り向きもせず、そのまま走りながら、
「心配ない、ボル」
と短く言って、言葉を残し、チンピラの懐に飛び込んだ。
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