先輩

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「いらっしゃいませー♪」 コンビニ店員の声、コンビニの中は外の夜の世界とは別世界のように明るい。 本、食べ物、日常品ならそこそこ並ぶ小さなデパート。 しかし今の坂丸にはコンビニに入った心地がしない。 謂わば恐ろしい上官に脅されて敵軍に忍び込み、用品を盗んで味方の陣地に帰る任務を負わされた兵士の気分だ。 俺は春と夏の間の微妙な時期にもかかわらずコートを着ていて、下半身は露出されたままの姿。 一目で不審者だと丸わかり…。 おまけに俺はお菓子ならまだ良いがエロ本まで買って来なければならない。 誰かに通報されたりしないかとヒヤヒヤものだ。 自分から通報するというのも立場上良い方法とは言えない。 警察官が犯人に脅されたりわいせつをされているとなると犯人は捕まるがその本人まで警察官としての面子を潰される。 そんな時、後ろから女性の声が響く。 「Stop!I am Police!(警察だ!止まれ!)
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