夏樹 IN パラレルワールド

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「道冬、おまえ女子じゃ……」  ないだろ、といおうとして、夏樹の右手はがしっと道冬に捕まえられた。 「これでも女でないとおっしゃいますか」  夏樹の右手を、道冬はあろうことか自分の胸に押しつけた。  むに、と、非常にわかりにくいのだが、確かに男にはないやわらかい感触がそこから伝わる。  ではなくて。 「放せっ」 「放しません。なにをいまさら照れておいでですか。ぼくと先輩の仲でしょうっ」 「どんな仲だよ!」  夏樹が叫ぶと、 「おげんこ!」  何度目かの拳骨を落とされる。 「いてえぇっ。なにすんですか怜さん」  道冬の手を振りほどいて問いかけると、怜は拳骨を落とした手を握り締めていた。 「二人とも、そういうことは二人きりのときにやりなさい」  怜の声を受け、道冬が夏樹の座るベッドに乗ってずい、と迫ってきた。 「先輩、やりましょう」 「なにをっ? てかやらないよ! いくらおまえが女でも!」  目の前の道冬は、なるほどよく見れば確かに女だった。ロリィタワンピースの腰はきゅっとくびれているし、先程の感触からして胸がある。
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