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信じがたいことに女であることは認めるが、やるやらないはまったくの別問題だ。
(というかやるってなに!)
愛利とだってまだそこまではいっていないのだ。先に他の子に手を出すようなことがあっては、また彼女に浮気者とド突かれてしまうだろう。
「なんかもうみんなおかしいよ」
途方にくれて夏樹はつぶやいた。
そして、見回して気づく。あの場にいた人の中で、美緒と秋時の師弟がいない。
「あれ、秋時と美緒さんは?」
誰にでもなく問いかけると、全員が目をしばたかせた。
「まあ大変、莉櫻、あなたの弟子余程頭を強く打ったのね」
可哀想に、と、莉櫻にべったりの怜がしくしくと泣く。もはやキャラ崩壊が激しすぎて、まったくの別人だ。
「弱ったなぁわんにゃんコンポコ」
怜に縋りつかれたまま、莉櫻がはあとため息をつく。わけがわからない。
「先輩、お気を確かに!」
ベッドに上がり込んだままの道冬が、夏樹の両肩をがしっと掴んで揺さぶってきた。
「おれはまともだ」
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