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(どっちかというと普段かっこつけの莉櫻があんなかっこ悪い語尾平気でいうわけがないし、怜さんはもうキャラが違う)
どうなってるんだと唸りながら顔を上げると、夏樹の様子を不審に思ったのか、莉櫻と怜は顔を見合わせている。その距離が、やはり近い。
「……近くない?」
思わず声に出して聞くと、莉櫻と怜はきょとんとし、それから笑った。
「なにいってるんだわんにゃん……」
「莉櫻はしゃべるな」
問いかけておきながら、夏樹は莉櫻からの返事は却下した。これ以上その語尾を聞いたら苛立ちのあまりぶん殴ってしまいそうだ。
しかし、莉櫻の口を封じると答える口は怜だけになるわけで。
「もおなにいってるの夏樹くん。莉櫻とわたしの仲じゃなーい」
オネエ言葉で答えながら、怜が莉櫻の腕に抱きついた。
「冗談きついっす怜さん!」
本気で叫んで、夏樹はめまいを覚えた。
(きつい、色んな意味できつい。なにがどうしてどうなってるんだ)
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