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入学式が終わり、自分の席に着席する。
入学式の代表挨拶で疲れたので、少し休憩しようとすると、クラスメートがこちらを向き、ひそひそ話をしている。
気にせずに、本を鞄から取り出し読もうとするとクラスメートがこちらに向かって歩いて来ている。
何事かと、構えて待っていると、ある一人の男の子が
「代表挨拶素晴らしかったよ。しかも、主席なんてさすが西園寺家のご令嬢だね。」
と、声をかけてきた。
“西園寺家”
西園寺グループ社長“西園寺清正”が率いる世界的にも有名な会社。
この、有栖川学園の資金も半分以上を西園寺家が出している。
西園寺家に生まれたときからたくさんの人に褒められてきた。
もちろん、私を嫌う人もいた。
私が、なんでもできるから。努力なんてせずに才能を持っているから。
普通の女の子に憧れることもあった。
でも、ある人の存在で強く生きようと決めた。
「ありがとうございます。」
と、笑顔で返す。男の子が頬を赤らめる。すると、緊張気味に
「ぼ、僕と友達になってくださいませんか!」
クラスにも響くような大きな声で顔を真っ赤にしながら叫んだ。
つい、笑みがこぼれてしまった。
「いいですよ。よろしくお願いします。」
そう答えると、その男の子は嬉しそうに深いお辞儀をした。
すると、他のクラスメートが一斉に話しかけてきた。
「私とも、友達になってくれないかな?」
「ぜひ、僕ともいいかな?」「僕も、お願いします!」
皆に言葉を返しているとチャイムがなり、担任の先生が教室に入ってきた。
皆すぐに自分の席に戻る。
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