第一章

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入学式が終わり、自分の席に着席する。 入学式の代表挨拶で疲れたので、少し休憩しようとすると、クラスメートがこちらを向き、ひそひそ話をしている。 気にせずに、本を鞄から取り出し読もうとするとクラスメートがこちらに向かって歩いて来ている。 何事かと、構えて待っていると、ある一人の男の子が 「代表挨拶素晴らしかったよ。しかも、主席なんてさすが西園寺家のご令嬢だね。」 と、声をかけてきた。 “西園寺家” 西園寺グループ社長“西園寺清正”が率いる世界的にも有名な会社。 この、有栖川学園の資金も半分以上を西園寺家が出している。 西園寺家に生まれたときからたくさんの人に褒められてきた。 もちろん、私を嫌う人もいた。 私が、なんでもできるから。努力なんてせずに才能を持っているから。 普通の女の子に憧れることもあった。 でも、ある人の存在で強く生きようと決めた。 「ありがとうございます。」 と、笑顔で返す。男の子が頬を赤らめる。すると、緊張気味に 「ぼ、僕と友達になってくださいませんか!」 クラスにも響くような大きな声で顔を真っ赤にしながら叫んだ。 つい、笑みがこぼれてしまった。 「いいですよ。よろしくお願いします。」 そう答えると、その男の子は嬉しそうに深いお辞儀をした。 すると、他のクラスメートが一斉に話しかけてきた。 「私とも、友達になってくれないかな?」 「ぜひ、僕ともいいかな?」「僕も、お願いします!」 皆に言葉を返しているとチャイムがなり、担任の先生が教室に入ってきた。 皆すぐに自分の席に戻る。
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