夏の想ひ出 天地 和夫

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夏の想ひ出  天地 和夫 3 天地部長の視線の先 愁いを秘めた横顔で ハイネ詩集を読み耽る 彼女の姿に とても 美しさを感じては あっ シャッターチャンス~!なんて思ったとか。。。。。 ふーむ 驚きだなあ あの堅物部長も 美形には弱いんだなぁ 閲覧室より 詩集を借りて 出ていく 棚橋 洋子先輩 詩集抱えて 颯爽と歩く姿に見とれつつ。 それを追って 図書館出口にて やっと追い付いて 「棚橋先輩 ちょっと 話 いいでしょうか?」と声をかけたとか。 「おいおい こんな場所で 告白されても恥ずかしいぞ 人がたくさんいるしなあ」と冗談めかして 一個先輩って こんな余裕あるンだなあ 「いやいや 違いますよ あのぉ~ よかったらですけど 先輩 写真撮らせてもらえませんか?」と まあ ド直球に言っちゃうところ やはり 生真面目 堅物らしい 部長だけど。 「写真だとぉ むりむり モデルなんざ やったことないし 私ゃ 写真撮られるより 撮る方が好きだしなぁ」 「あっ さっき 詩集読んでる お姿見て いい題材浮かんだですよ ただ ベンチで 詩集読んでてもらえれば 構いませんから」 「ほぉ 天地君 キミは 結構 強引なんだなぁ まあ 構わんよ。無論 風にあたりながら ベンチで 読みたい思っていたからね では そこで 読んでるから 適当に済ませてくれるかな。」 と 男役(笑)っぽく ベンチへ座っては ハイネ詩集を読み始めます こちら 天地部長も いつも持ち歩いている カメラをとりだして 構図やら 光の具合など いろいろ考えて パシャパシャっと 数枚 撮影したとか いやあ 二人とも 度胸あるなあ あたしなんか とてもじゃないが 無理 っつうか あたしじゃ モデルには ならんか(笑) 自虐ネタ 閑話休題 「終わったか? じゃあ モデル料 ラムネ 一本な」と棚橋 洋子先輩 かっこいいねえ 「了解」と すぐに 走っては 近くの駄菓子屋で ラムネ二本買って来ては 先輩に渡しました。 そこで ベンチで 二人 ラムネ飲みながら 今後の芸術部野子とやら  文化祭のこと話しあって なんか 青春してるなあ つづく
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