夏の想ひ出 根津 康平 

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夏の想ひ出 根津 康平 2 食事をいただいたり お風呂に入ったりしたあと。 ちゅーさん。重胤坊さんの部屋にて 家から手土産に持ってきた お菓子やらジュースやらで 盛り上がって。。。。夜が更けて来ます 土曜夜十時 彼らの現在マイブームである 連続テレビドラマ 横溝正史シリーズ 「悪魔が来たりて笛を吹く」を観ていたようです 「あのさー フルートの笛の音 背中 ぞくぞくしちゃったよぉ」 「ちゅーさんもか。なんとも不気味だよねえ。あのメロディーさぁ」 など ドラマの余韻に浸りつつ そろそろ 眠る支度 布団を二枚ひいて 寝床に入り またまた いろいろ 話題はつきぬようで 「ちゅーさんは、将来何やりたいんや?」 「俺は そうだなあ 高校出たら何か職に役立つ専門的なこと学んで 早く社会人になりたいなぁ」 「そうかぁ。わしは 親父殿のレールで 大学は仏教系かのぉ。? それもなんだかなあ」 「重坊さんの姉ちゃん 早くお嫁に行っちゃったから 寺を継ぐってことかぁ」 「じゃがなあ やりたいことはあるんだけどなあ」 などなど話しているうちに 重坊さん 寝てしまったようで。。。。 ちゅーさん 目が冴えては「あ。ヤベぇ トイレ。トイレ。」とごそごそ起きては部屋を抜け出て 二階から 下のトイレへ行くのに結構暗くて 場所が寺だけに。。。。 さらには 先程のドラマのことなんか頭によぎっては。。。。 なんとか たどり着いては 小用をたして 長い廊下を重坊さんの部屋に向かっていると ふと 裏山の方から ぼぉーー! っと何やら 音が聞こえてきて 「フルートの音じゃあねえよなあ」など 月明かりが照らす裏山を眺めていると。 廊下を歩いて来た 住職に出くわし びっくり!!するやら いやはや 「あ。和尚さん。今なんかさぁ。ボーって変な音が裏山の方でしてさ」 「トイレへ起きたんかい 康平君 あれは ふくろうとか夜の鳥の声じゃよ」と言って 住職さん トイレへ向かって行ってしまいました。 その言葉を聞いた ちゅーさん なんだか 自分がえらく子供っぽく思えてしまい あっはっは 「俺もまだまだ 子供じゃなあ もっと大人にならんとなあ」と 思いつつ 背の高さなんか気にしていたのが なんだか妙に馬鹿らしく思えて「よし! 月曜日 あの下級生と友達になってあげよう」と返事をする気になり
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