0人が本棚に入れています
本棚に追加
手伝う、と言う二人に「今日ぐらいはゆっくりしといて」と微笑み、私は家じゅうを磨き上げた。夫と娘が掃除機をかけてはくれていたけど、さすがに細かいところまでは目が届かない。
そして、昼食はエビとアスパラのクリームパスタ。早朝にセットしておいたパンも美味しく形よくできあがっていた。
「お店みたい!」とクールな娘も大興奮だった。
「夕食は何が食べたい? 二人が食べたいものをつくるわよ」
「やったぁ、私、あれがいい! ミートソースとクリームソースが重なってる……」
「ラザニア? 任しといて!」
「僕は肉じゃががいいな。お惣菜も美味しいんだけどさ、君が作ったやつじゃないとダメなんだよなぁ」
「よし、和洋折衷でゴージャスに行きましょう!」
私は夕食の仕込みをしつつ、シフォンケーキを焼いた。
本当は一日置いて落ち着かせたいところだけど、これはこれで美味しい。
ロイヤルミルクティでシフォンケーキを食べる穏やかな午後――。
いつもの慌ただしいオフィスとは大違いだ。
夕食も美味しいと喜んでもらえて、大満足の一日だった。
私は計画を完璧にやり遂げたのだ!
× × ×
――夢の中で。
13日、目が覚めたら夕方だった。日頃の寝不足と疲れのせいで、スマホのアラームも目覚まし時計も全部蹴散らしてしまったらしい。
最初のコメントを投稿しよう!