第二の殺人

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「もうシンデレラはダメだね。 この閉鎖的な状況に加えて人喰い狼がいるかもしれないという恐怖に耐えられないでいるのだろう」 小人のいう事はもっともだ。 一歩間違えれば僕達もシンデレラの様に精神を壊してしまっていたのかもしれないのだ。 「今ここには僕とラプンツェル。そしてヘンゼルとグレーテルがいる。 誰が一番怪しいと思う」 小人はそう切り出したが僕達は何も言えないでいた。 「何も言わないなら僕から言おうか? 」 そう言ったっきり小人は目を瞑り何か考え始めた。 僕達は無言で小人を待つしか出来なかった。 誰が犯人なのだろうか。 それに疑問がいくつもある。 何故赤ずきんの死体は無くておばあさまの死体はあるのだろうか。 おばあさまは絶対に死んでいる。僕自身は死体を見ていないが小人もラプンツェルもそれを見ている。 そして赤ずきんの死体は誰も見ていない。 本当に赤ずきんは死んだのだろうか。
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