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もし赤ずきんが自分が襲われていたフリをしていたとしたら……
そして今もこの館にいて次の獲物を探していたとしたら……
その時だった。
小人がゆっくりと目を開けた。
「ラプンツェル…… 君はここに来た時に女の人を見たと言ったね。そして奥の部屋で寝ていると」
「ええ、言ったわ」
「本当にそんな人いるのかい? 」
ラプンツェルはあっけにとられた表情を浮かべていた。
「いるわ! この目で見たもの」
ラプンツェルは力強くそう言った。
「ラプンツェル、君だけなんだよその女の人を見たって言ったのは! 本当はその人が人喰い狼じゃないのかい? そして君と協力して殺人を繰り返している!違うかい? 」
小人は声を荒げてそう言った。
まさかラプンツェルが……
そんなはずはない。僕達を守ってくれたラプンツェルがそんな事するはずはない。
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