第二の殺人

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一方の僕はというと目を瞑るどころか逆に目を見開きあちらこちらを見渡していた。 いくら安全だとはいえ、もしかしたら今すぐにでも人喰い狼がきて僕達を殺してしまうかもしれない。 そう思うと警戒せざるを得ないでいた。 今はしっかりグレーテルとラプンツェルには休んでもらいたい。 その思いだけで僕は眠たい目をこすりながら今という時間を過ごしている。 それと同時にこの事件の事についても考えていた。 まず今わかっている事。 それは荊で館から出れない事。そしておばあさまが殺された事。 これは紛れも無い事実だ。 赤ずきんについては今は何とも言えない。 そして僕達の中に犯人がいるとするなら一体誰だろう? ラプンツェルとグレーテル、そして僕は有り得ない。この館に来てから常に一緒に行動してきたからだ。 おばあさまが犯人だという線も消えた。
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