第三の殺人

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「……」 横にいるグレーテルも扉に耳を当て息を殺している。 「いないね…… 」 そう呟いて耳を壁から離した。 恐らく部屋の中には誰もいない。しかし油断してはいけない事を僕は知っている。 人喰い狼も僕達と同じく息を殺しているのかもしれないからだ。 そして僕達を油断さして中に入ったところをやられるかもしれない。 暑くもないのに背中から嫌な汗が流れたのが分かった。 僕とグレーテルはお互いの顔を見つめて合図した。 扉から一歩下がりドアノブに手をかける。 ゆっくりとドアノブを回すと解錠音が廊下に響き渡った。 慎重すぎるくらいにドアノブをゆっくりと引く。 扉の陰から中を覗くとそこにはソファーとベットがあるだけで人影は見えなかった。
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