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制服に着替えてリビングに戻ると、由梨が椅子に座って待っていた。
向かいの席は僕の定位置で、朝食が並んでいる。
「……あれ?母さんは?」
「おばさんは私が来てすぐに出掛けた」
返事はしてくれるも、顔はそっぽを向いたままだ。
僕は慌てて謝る。
「由梨、その……ごめん」
「別に……謝ることじゃないでしょ」
僅かに頬を赤らめながら、由梨は続ける。
「……朝勃ちってやつでしょ?」
「まぁ……うん」
僕は内心、胸を撫で下ろす。
由梨に対して興奮していたことはバレていないようだ。
「……ほらっ、早く食べちゃいなさいよ。私まで遅刻するでしょ」
由梨に急かされ、朝食を済ませる。
身支度をして家を出る。
「そういえば、由梨はこの辺に引っ越してきたんだよね?おばさん達も一緒?」
「……ううん、知り合いが近くに越すことにから、そこに泊めてもらってるの。お母さん達はそのまま向こうで暮らしてる」
「そうなんだ」
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