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大体、呼び方変えてってもう何度も頼んでいるのに、相変わらず全く聞き入れてくれないし。
「だって呼びやすいんだもん」
「………」
「ほらっ、教室着いたよ。マスコミさんのことはあたしも考えといてあげるからさぁ、もう直談判とかやめなね? ねっ?」
廊下に予鈴が鳴り響いて、ちょうど着いた教室の前、美沙ちゃんは私の両肩に手をおいてお姉さんぶった声を出す。
同い年ですけど、くらいは言い返してやりたかったけれど、本人は言いたいことを言うとあっさり離れて自分の教室に向かってしまった。
まあ、追いかけてまで言い返すつもりはない。
私もちょっとため息をついて、
自分の席に引き下がる。
直談判はやめろと言われてしまったけれど、
私にそれ以外の手なんてあるだろうか。
残念ながら、ない。
──いや。一つだけあるかもしれない。
ごく基本的な可能性を思い出した私に合わせるように、本鈴が教室と廊下を駆けめぐった。
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