3人が本棚に入れています
本棚に追加
間をあけたところで、
返す言葉は一つしかないけれど。
「それは……否定できないわね」
「でしょっ? よし、そうと決まれば早速行こう!」
言い終わる前からその姿は教室を飛び出す。
こちらを待ってくれそうにないので、
彼女も廊下に出て駆け足をとった。
「行くって、どこによ」
「あの四人がまだいつもの場所に残ってたから!」
「いや、待ちなさい。
行くのはいいけど、どうするつもり」
「うーん……殴りこみ?」
「やっぱり止まれ」
「冗談、冗談! あたしマスコミ入部目指した時に、ちょっとあそこのこと調べたから。
説得できると思うんだよねー」
「それ、わたしがついていく意味ある?」
「もちろん。もし交渉がこじれた時には、
あの部長さんと相性悪そうな人に暴れこんでもらえばうやむやに」
「今すぐ止まれ!」
軍隊の司令官もかくやという制止を受けて、
美沙の駆け足がやっと止まる。
場所はちょうど、
校舎本館と新館をつなぐ通路の真ん中。
最初のコメントを投稿しよう!