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吹きさらしの渡り廊下は寒い代わりに見通しが良い。
何やら時折じゃれあいながら、確かにこちらへ向かってくる二人の姿は、蛍光灯の白い光に照らされてだいぶ遠くから見えていた。
校内ではよく見かける光景だけれど、
この組み合わせは私には思いがけなかったりする。
「あら、順番逆になっちゃった」
より手前にいる美沙ちゃんが半笑いで独りごちた。
それとも後ろの子に言ったのだろうか。
これが本来の順番でしょ、と、なんだか会話の続きのように呆れ気味の返事が聞こえた。
とにかくも、この二人はいつの間にやらこういう感じになっていたらしい。
「友達? じゃ、待たせちゃ悪いわね。
私たちはこれで」
学校って狭いなぁ、なんて考えていたら、
横合いから現実に引き戻される声がした。
慌てて顔を向ければ、新しく来た二人とすれ違う形で立ち去ろうとする四人組。
それで、ますます慌てる羽目になる。
この硝子扉を追い出された昼休みからかれこれ四日目、そのくせ全く前進していない直談判なのに、
これ以上成果なしで終わるわけにはいかないのだ。
回りこむことはできなかったから、
声を張ってなんとか呼び止めようとする。
「ちょっと待ってくださーいっ!」
───へ?
いや、今のは私じゃない。
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