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バス停のそばの公園では、
真白いライトに木のベンチが照らされている。
「はぁ……」
身体と鞄を投げ出して、
深い深いため息が吐き出された。
人の気配も音も遠い空間で、
ため息はすぐに散り消えて余計にむなしくなる。
それも、これも……。
「まあまあ。そんなに落ちこむことないって。
大丈夫、今回は誰にも見られず帰ってきたから」
前触れもなく視界に映りこんだ尻尾を、
私は意識するより早くわし掴みにした。
「んぎゃっ! 何すんのっ?」
「こっちの台詞よ!
なんで学校にまで来てるのよ!」
ためこんできた何かが爆発する。
どうやって来たのか知らないけれど、
よりにもよって高校の敷地内に潜入とか、
まったくもってありえない。
逃げだした私の後をちゃっかり尾けていたらしいことも、それ以前に事の始まりからして理不尽すぎる。
何よあの脅し文句は。もう何もかも頭にきた。
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