第3章 第1部 可能性

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第3章 第1部 可能性

2018年1月 新しい年になった。 変わったのは日付と親父の年齢だけ。 俺の様子は変わらず体調不良のまま。 今年は寝正月だな なんて思いながら実家で過ごしていた。 久しぶりの休息。 ここで体と心を整えておかないといけない。 そんな絶不調の俺に親父は酒を勧めまくる。 久しぶりに俺と酒をたらふく飲みたいらしい。 俺は親父と、朝から晩まで飲み明かした。 うちの親父とお袋は離婚した事について余り言ってこない。 お袋が酔っ払って絡んでくる時以外は話題にすら出ない。 そんな親父とお袋が珍しく話してきた。 「もう吹っ切れたのか?」 「早く新しい恋でもしちゃなよ!」 割と余計なお世話だ。 俺「そういう人がいれば、いずれ勝手に恋に落ちるんじゃん?」 まさか自分の口からそんな言葉が出て来るなんて。 「まああんたは恋とか結婚には向いてないけどね」 じゃぁ何故新しい恋を勧めるんだよ。 俺はこんな事を言われながら ユイのことを思い出していた 勝手に恋に落ちるんじゃん? まさかそんな事が現実で起きるなんてこの時は思ってもみなかった。 お正月も終わり美容師の仕事も再開。 まぁ三日間体内をアルコール消毒したおかげで 体調もだいぶ回復した。 心の方も、ゆとりを持ち始めて いい精神状態。 ※俺は精神疾患等は無いですよ。 そして1月の後半 恋愛マスターことEさんが来店。 Eさん「もうすぐ節分だよ!」 先ずは明けましておめでとうごさいますだよ! 俺「そうすねー」 Eさん「私とスケベ店長は節分以降はイケイケになるからガンガンいこう!!」 俺「ガンガンすか?笑」 何に? Eさん「前に言ってた、可愛いって子、アプローチして大丈夫だから!!」 俺「...」 Eさん「今年は皆が仲良くなる年になるって風水の有名な人が言ってたから!」 俺「トランプさんと金さんもなかよくなるんすか?笑」 ※実際にその通りになりつつあるのでこの風水は馬鹿にできない。 Eさん「なるね!!」 俺「んー。まぁ機会があれば頑張ってみますよ」 Eさん「機会を作れ!!」 何となくしていたこの会話。 何にも気にしてなかったこの会話。 不思議な事にここから先色々な事が 色々な可能性を持って 俺に襲いかかってくる。 俺「機会なんてそう簡単に作れるかな?」
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