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両足の痛みに顔を歪めながらも、目の前の扉を開け、廊下に飛び出る。廊下も早足で歩く。両足の踵からはすでに血が滲み出している。自分の部屋のドアの前に着く。鍵穴に鍵を差し込む。
ガチャリ
鍵の開く音を確認すると同時に、ドアを両手で思いっきり引く。
ガチャンッ!
「は?」
綾華は目の前で信じられない光景を間の当たりにする。銀色ににぶく光るチェーンがドアの隙間から見える。
ドアチェーンがかけられていた。
にぶく光るチェーンを見つめながらも、困惑し両手はドアを引っ張り続ける。
ガチャンッ!
ガチャンッ!
ガチャンッ!
何度引いても、チェーンが外れる気配は無い。連動するように、綾華の表情から感情が抜け落ちてゆく。
「ああ。ああ。どうして。どうして」
ついには、廊下に座り込んでしまった綾華を見下ろす人影が、真後ろから伸びていた。
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