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腰を抱いていたユアンの左手が胸の蕾を抓った。
んっ、と息を詰めたロイはジンとした痛みの後に広がる甘い痺れに濃艶な声を漏らす。
まだ芯を持たない青い蕾を指先で弾かれる度に段々と硬く尖り始め、呼吸が浅く短くなり、口の端から涎が漏れても、もう口を閉じる事が出来なくなってくる。
傍にある美しい顔と、淫らに開け広げた自分の股間から漏れる淫猥な水音、窓の外はまだ昼にも成りきれない若い陽射しが眩しい。
動物的な雄の匂いが漂い始めると、ロイの体はより一層その快楽に悶えた。
伯爵と孤児である自分が明るい内から倒錯的な情事に耽る。
ただそれだけでもロイには甘やかな佚楽を味わえるのだ。
この五年でロイの体を知り尽くしたとばかりにユアンの指先は、ロイの弱い所を責め、嬲り、昂ぶらせては勿体つける。
「はっ、も、ユアンさまっ……」
「もうか? だらしない」
「イキたっ……おねがっい……」
「中だけでイキなさい。見ててやるから。だらしなく痴態を曝して見せなさい」
キスを強請ればイカせて貰えない。
ロイは淋しい唇をユアンの首筋に押し当てて、甘く噛みたくなる衝動を歯の根を噛んで堪えた。
ユアンの硬く腫れ上がる楔がスラックスの生地を卑猥な形に象っている。
その立派な楔で突いて欲しいと懇願した事はなかったが、それが理由でもう火曜日の迎えが来なくなるかと思うと、口には出せなかった。
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