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甘えて強請って欲しがり、泣き付いて、だらしなくも縋る様な眸でユアンを見遣る。
そうすると扇情的なナイトブルーの眸が、愛しいものでも見るかのように甘く蕩けるのを、ロイは知っている。
抽挿を繰り返す長い指が、不躾に卑猥で官能的な水音を漏らしながら白い欲の溜まり場を擦り上げる度に、悲鳴にも似た嬌声が漏れた。
腹に着く程反り返ったロイの楔は、恥じらい身悶える幼子の様に震え、赤く染まってジワリと泣く様に蜜を零し始める。
「ひっ、あっ、出るっ……イクッ……」
白く美しい指先が濃厚なロイの白濁で汚れ、それを口元に宛がわれたロイは、躊躇いもせずに綺麗に舌で舐め上げた。
好きで、好きで、堪らない。
意地悪く、ものぐさで、性格も捻くれているこの若い伯爵が、孤児である自分に目を掛け、呼びつけてまで愛撫してくれるなら、ロイはユアンが隠している悲しい嘘をずっと知らない振りをしているつもりだった。
なのに、終わりは呆気なく訪れた。
その次の火曜日、いつものように迎えに来たカーターは、初めて開口一番違う科白を吐いた。
「お別れを言いに参りました」
ロイは呆気に取られてカーターの発した言葉の意味を、脳内でもう一度反芻する。
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