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夜になり、もしや、初夜?!と思ったものの、疲れていたのか、相手は既に寝落ちしていた。
仕方ないから読むか、とベッドに腰掛け、元カレの手紙を開く。
君がこの手紙を読んでいるということは、俺は死んだということなのだろう。
最初に一応書いておこう。ごめん。君と別れたのには理由がいくつかあります。まず、俺には大きな病気がありました。会社の健康診断で見つかったのだけど、見つかった時には随分進行していて、手術をしても治る確率は低いということでした。
そこで俺は悩みました。君と付き合い続けるか、振って解放すべきか、そして、後者を選びました。あの時言った好きな人とは君のことです。君にとってどちらの方が本当は良かったのだろうか?しかも、結局死んでから手紙で伝えてしまってるあたり、本当に性格が悪いと思う。
もし、君が女だったら、あるいはもし俺が女だったら、後先が短かかろうと結婚する、もしくは子供を残すといった、俺と君が付き合っていた証が残せたかもしれないのに、と何度考え、絶望したことか。だから、俺の死を知らずにしあわせな家庭を築けるように早く別れなければと思ってああいうやり方になってしまった。本当にすまなかった。本当は書くべきではないのだろうが、最後に言わせてくれ。愛している。
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