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「そうそう! しかも、知り合いじゃないから後腐れなさそうだし。 な? 翔平、面白そうだろ? 今夜辺り行ってみようぜ。」
さらりと放たれた雑言に似合わず、ニカッとまるで効果音でも聞こえてきそうなほど無邪気な先輩の笑い顔はいつにも増して眩しい。
「それじゃあ! さーていっちょ! 今日は定時上がりの為にやってやりますか!!」
すっかりと先輩のペースに乗せられてしまい呆然とする俺を尻目に、無造作に髪を書き上げると、鼻歌交じりに速指をポキポキと鳴らした。
程なくして、高速のキーボードタイプ音がオフィス内に響き始める。
こうしてその日、先輩営業・有馬祐人から声をかけられた俺は、最近できたばかりの相席屋へ行くことになったのだった。
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