アパートが安い理由

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それからまた異世界を覗いた。 東南辺りで火が見える。ドラゴンか人か……だけど 今はそんな事どうでもいいか。 魔法城の近くには森がある。今日は特に変動は無し 何かおかしいのは森を抜けた砂漠地帯だろう。あちこちに窪みが出来、地面を割いた様な切れ目もある 恐らくは戦いだろう、勇者かそれ以外の誰かか。 「矢間さーん」 はぁ……低く、聞き取りにくい声 きっと大家さんだ 「はい、何ですか?」 「おはようございます。大家ですけど部屋に入っても?」 「どうぞ。散らかってますけど」 初めてここに来て驚いたのは大家さんが若く、髪も あって、おじさん顔じゃなかった事だった。想像していた大家さんとは歳も顔も性格もずっと違った。 でも、社会とは不思議な世界、慣れてしまえば笑い話だけどね。 「……派手だね」 「そうなんです。派手なんです」 「こりゃ~しばらく騒音との戦いになりそうだね」 「ええ。さっきも中美さんが来ましたよ。うるさいってね」 私と大家さんは同じ箇所を見ていた。魔王城近くにある砂漠地帯 「ま、私も何とかしてみますけどね。矢間さんもちょっと言っといてくれませんか」 「分かりました……じゃまた」 大家さんは扉をゆっくり閉めて、見えなくなった。 声を使い過ぎると、異世界が混乱してしまうからあんまり使いたくはないんだけど。 私は溜息を床に吐いた 声を伝えられるのは一日に一人だけ。それから声が伝えられるのは私だけ。しかし、私はその伝えた一人以外の異世界住人の声が聞けない。 「勇者さん、勇者さん」 私はなるべく優しい声であの窓に話しかけた 「あ、フリード様!声が聞けて私は非常に光栄でございます」 フリードとはこの世界で言う神様に当たる語らしい。何となく覚えた。 「で、戦いはどうだい?順調ですか?」 「いえ、四天王の一人に逃げられてしまいました」 勇者は顔を顰めた
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