きみの声を見失わないように

　それから小学校のときも中学に上がってからも、当時からかわれたことが頭を過(よぎ)り、出来るだけ目立たないように、あまり声を出さないように、さらに一人でいることが増えた。それが逆に悪目立ちしていることも何となく気付いてはいるけれど、私にはもう、どうしようもなかった。

　高校生となった今でもそれは変わらず、一人でいることが当たり前。友達なんて、今まで一人だっていたことはない。

　そんな私が今、勇気を出してオシャレなカフェにいる。

　カフェだなんてお店、友達がいる人や恋人がいる人、一人で入っても違和感のない大人の人しか入る権利のない場所だと思っていたのに、お店の前に貼ってあったフルーツパフェの写真に釣られて、ついつい中に入ってしまった。

　おかげで全く落ち着かなくて、無駄に店内をあちこち見回してしまう。怪しいったらない。