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「契約したお客様の〝彼女〟として決められた時間内をデートするだけ。ソープで働くより、実に楽な商売だろ?」
そんなこと、わかってるよ!
丸め込まれてたまるかっ!
「〝レンタル彼女〟から離れてください!私、住んでるアパートを出て、もっと家賃の安い所探します。それに、食費や服代を抑えて昼間の仕事のお給料から 月々…えっと、いくら払えるかなっ」
テーブルに置いていた スマホの電卓機能をタップしようと伸ばした右手の甲に、いきなり桐島さんの手が重なった。
…不覚にも
ドキリとして、一瞬だけ時間が止まる。
「なっ…」
何するんですか、が言えない。
思わず顔を上げると、優しく私を見つめる眼鏡男子が愛の言葉を…の、筈がなく、
「こんなことで、いちいち動揺してどうする。お客様に変な期待を持たせては レンタル彼女として失格だ。軽くいなすテクニックを身につけろ」
冷たい台詞が飛んできた。
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