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その言葉に頭を思い切りブンと上げてしまい、アルコールも手伝って目の前がクラクラとなる。
『なんでー!!めっちゃ頑張って就活して、今の会社に入ったんでしょ?もったいないじゃん!』
『んなもん、とっくに見切ってるよ。あんな会社、たかだか先は知れてる』
『真吾、私ら就職してやっと二年だよ?仕事だってまだ完璧って訳じゃないでしょ!もう会社の先行きとか わかんの?』
『…あのなぁ』
はぁ、と大きな溜め息を吐くと 真吾は残っていた自分の缶チューハイを飲み干した。
『中小企業なんて、やっぱり それなりだからいつまでも一流になれないんだよ。そんな会社にこだわる必要ない』
会社の悪口をフニャフニャ愚痴るいつもとは、少し違う。
『ジジイばかりの堅苦しい今の仕事より、若さがあって夢のある楽しい仕事がしたい。俺、大学時代の仲間と起業することにした』
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