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『…ということで、私がお話しした内容はご理解いただけましたか?』
急に桐島さんの態度が柔らかくなる。
今となっては、こっちの方が胡散臭い。
『青山さんたちが借入れされた業者には、私どもが返済を致しましたので あなたに連絡があることはございません。その辺はご心配なく』
『え?』
『これからは、私ども〝夢幻〟に借金を返していただく形になります。返済期限は本日より一年以内。よろしくお願いします』
涼しい顔で会釈までする桐島さんを茫然と見つめた。
思考回路が絡まって 何が何だかわからなくなってくる。
『あのぅ、何故 貴方の会社が真吾たちの借金を?』
『それが私のビジネスですから』
闇金に対し借金を肩代わりして、それでこの男の会社に何のメリットがあるんだろう?
そんなビジネスが存在するの?
ーー間違いないことは ただ一つ。
私は
二百万円の借金を抱えたらしい。
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