はじまりは…

24/24
1008人が本棚に入れています
本棚に追加
/524ページ
あの〝紙〟のせいで、私は借金の連帯保証人。 その事実は絶対に変わらない。 『…かなりお困りですよね、緒方さん』 『困ってます!すっごく困ってます!』 動揺でベンチにはとても座っていられなくなり、桐島さんの前をオロオロと往復する。 『では、一つあなたにご提案があるのですが…二百万を期限内に返済出来るかもしれない』 『えっ!本当ですか?!それはどんな』 飛び付きかけて、私を見つめる胡散臭い笑顔にハッとなった。 ダメよ、菜々花! こいつは絶対に怪しい奴。 オイシイ話と見せかけて、私を裏の世界に引き摺り込む罠かもしれない。 騙されてはダメ!! 『私ども夢幻は〝レンタル彼女〟をお客様の元に派遣する業務を取り扱っております。あなたもレンタル彼女としてうちで働いてみてはいかがでしょう』 『レンタル彼女?』 生まれて初めて、そんな商売があることを知った。
/524ページ

最初のコメントを投稿しよう!