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あの〝紙〟のせいで、私は借金の連帯保証人。
その事実は絶対に変わらない。
『…かなりお困りですよね、緒方さん』
『困ってます!すっごく困ってます!』
動揺でベンチにはとても座っていられなくなり、桐島さんの前をオロオロと往復する。
『では、一つあなたにご提案があるのですが…二百万を期限内に返済出来るかもしれない』
『えっ!本当ですか?!それはどんな』
飛び付きかけて、私を見つめる胡散臭い笑顔にハッとなった。
ダメよ、菜々花!
こいつは絶対に怪しい奴。
オイシイ話と見せかけて、私を裏の世界に引き摺り込む罠かもしれない。
騙されてはダメ!!
『私ども夢幻は〝レンタル彼女〟をお客様の元に派遣する業務を取り扱っております。あなたもレンタル彼女としてうちで働いてみてはいかがでしょう』
『レンタル彼女?』
生まれて初めて、そんな商売があることを知った。
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