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月曜の朝、私はオフィスで大欠伸をするのが定番になった。
土日の休み、友達と会って楽しくリフレッシュしたり、狭いながらも自分のアパートで一日中のんびりゴロゴロしたり、そんな時間がめっきり減ったからだ。
理由は言わずもがな…
裏の仕事に勤しんでいるからに他ならない。
初めてのお客様、木村様には定期的にお世話になっているし、桐島さんは短時間のレンタル契約を私に回してくる。
長時間の契約は、金銭的にはオイシイのだけれど…長く拘束される分、疲労感が半端ない。
いや、短時間でも〝偽の彼女〟を演じることに 一向に慣れないのだ。
桐島さんが避けてくれているのか まだ厄介なお客様に当たったことはないけれど、それでも 知らない人の彼女として振る舞う数時間は 決して楽しくは感じられない。
私以外に何人もいるという、夢幻の〝彼女〟たちは どんな気持ちでお客様と接しているんだろう。
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