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『でね! ……ちょっと、聞いてるの? おねえちゃん』
スイネはうんうん……とうなずく。
が、ちょっと疲れてきたことは、否定できない。
だがしかし、スイネ的には二年……アカネ的には十五年、離れ離れになっていた故、話し足りないのか、アカネのマシンガントークはなかなか止まらなかった。
確かに、昔から、よくしゃべる子ではあったけれど……。
『あんたがサフィーニアさんにお世話になってたことは、よーくわかった』
頑張ったね……と、スイネがアカネの頭を撫でた。アカネは昔と同じように、にっこりと笑い、ぎゅっと抱きしめてきたが、いかんせん九歳……本来なら十一歳であるハズの妹は、現在二十四歳になっている。
違和感が、全力でスイネの脳裏をよぎった。
『そういえば、お姉ちゃんたち、今までこの神殿で下働きしてたって話してたけど、これからどうするの? このまま、此処でお世話になる?』
ふと、アカネがスイネに問う。
『あのね、帝都になら、言葉が通じる人が、もう少しはいるの。学校もあるのよ? ……もし、よければ、私たちと一緒に、帝都にこない?』
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