我慢と嫉妬と限界

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ふう、とバレないように背を向けて息をはいてから改めて柊羽を見た。 「…今日は、ごめん。オレといたら柊羽がなんか言われちゃうかと思ったんだ…ごめん。 オレ、柊羽のこと…好き、だよ。 …嫌いだったら、今みたいなことしないし…」 「よかった。 他の奴にやったら、俺怒るから」 …優輝以外の奴な。 と付け加えた柊羽にクスッと笑うと、オレは彼の脇の下に腕を通して身体をくっつけた。 左の胸に耳を当てると柊羽の心拍音が聞こえて落ち着く。 「結弦、甘えたくなった?」 「…ん?心臓の音、聞いてたら落ち着くから…」 そういうとオレの頭を優しく撫でてくれた。 親が家の中にいることを頭の片隅に置きながらも、少しだけ彼に身体を預けた。
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