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「ま、マサ兄っ、待ってよっ
柊羽、帰ろう?」
「ん」
少し結弦の様子がおかしい気がしたが気のせいだろうか。
電車内でも少し従兄弟と距離を取っている気がする。
初めて会った時はあんなに仲よさそうにしてたからより気になる。
だが、それについて結弦に聞くことは出来なくて目で訴えてみたが、
「ん?どうかした?」
と首を傾げられるだけだった。
家に帰ると母さんと義父さんがニコニコしながら迎えてくれた。
「おかえり」
「おかえりなさい、2人とも…って、優輝くんもいるのね」
「こんばんは。
駅でちょうど出会って、ゆづが荷物重そうにしてたので手伝ってたんです。」
そう言って笑顔を作り、玄関に持っていた袋を置いた。
「じゃあ、オレはここで。
お邪魔しました。
…ゆづ、また連絡するから」
意味深に最後呟いて、玄関を出て行ったのだった。
結弦の顔を見ると顔を赤く染め、少し俯いていた。
その理由を知るのは、少し後のことだった。
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