「常世国」からの化身の役行者

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寺は役行者の建立と言われている。 「神変大菩薩」の称号を持つ、役行者は仏教を敬い、神を尊び、優婆塞として在家修行者、神仏習合の山岳修験者の祖と仰がれている。 全国的に伝説や民話に残されている。 欽明年間(634)に大和国は葛城上郡茅原郷に生まれた。父は出雲から入り婿下大角。母は白専女である。 役行者は幼いころから、山々、峰々を駆け巡り、一般人とは言葉を交わすことはなかった。 奇妙な人と畏れられ、葛城山の山中に暮らし、17歳の際に元願寺で孔雀明王の呪法を会得した。 ひたすら、山中を駆け巡り、険しい崖に登り呪術を発し、物事に異変を起させては、人々に畏れられた。 ある時、山中で役行者と出会った時、 「そなた、厳しい山中で何をしているのか?」 「お前がそれを知ってなんとする」 「小角さまの呪術を知り等ございます」 ならば、と言って一陣の疾風と共に役行者の姿が消えてしまった。 驚いた高貴な役人の韓国広足は 「小角様、小角様」と探し回った。しばらくして、広足の背後から声がして振り向くと、小角が立っていた。 「ハハハハハ・・・」 と大笑いで、 「そなたは何者か」 「ははー、今小角様の術を拝見し恐れ入ります、それがし
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