「常世国」からの化身のかぐや姫

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かうが、自分にぶつかった身分の低そうな子供の家族が、平伏して許しを請い立ち去った。 「どうも、失礼しました」 と、おどおどして恐れるように立ち去った。 姫は内心、自分は醜い女になったのかと、疑心暗鬼になった。 そのことに衝撃を受け、花見もせずに家路につく。 その途中、物盗りの疑いに追われる捨丸と偶然顔を合わせ、盗みによる制裁を受けて暴力を受けているのを見て、更に悲しむのだった。 庶民の暮らしに、つくづく悲哀さを覚えて、暗い日々を過ごす。 3年後、宝物を持参したと称する公達が現れたが、贋物(にせもの)であったり、姫の関心を引くための巧言を弄(もてあそぶ)したことが暴かれる。 宝物を得るために石上中納言が事故死したことで、姫は自らを責め悲嘆した。 だが、御門はかぐや姫に「5人の公達を手玉に取る女」と興味を示し、宮中に招こうとする。 巷の噂は、ひどい女という、悪いうわさも出て、興味半分、誘う者も現れた。 命に代えても出仕はしないという姫に、御門は忍びで屋敷を訪れ、姫を抱きすくめて連れて行こうとした。 「ささ、姫、宮廷に行きましょう」 その瞬間、姫の姿はかき消えてた。 驚いた御門は叫び呼びかけで、姫の姿を現
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