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まばゆい光が消えていくとともに、
なにやら怒号や金属の甲高い声が聞こえてくる
目を開ければ、甲冑の男が身長の倍ほどの高さの血飛沫を上げながらこちらに倒れてきた
確かにこれは展開が早い
重い体を押しのけて恭平を見れば、絹の修道服を着た人間に引きずられている
「勇者様はこちらに!事情は後で説明しますゆえ、お早く」
恭平と目が合った
血まみれの兵士の中から出てきた私を見てびっくりしているようだ
「あそこの彼も連れて言ってください!友人なんです!」
恭平が叫ぶ
いや、一人で行けるぞ
おい、そこの兵士引っ張るんじゃない
『あそこにいるガキどもを殺せ!逃がすな??』
と地から響くような声がする
やれやれ、せっかくこれからが楽しみなのに邪魔だな
とりあえず殺すか
もちろん偶然を装って
今はか弱い人間だからな
そう思った瞬間ーー
私の死角からただただ黒い影が飛び出してきた。
キラリと光るものが私の首にかかる寸前で
私は体を仰向けに倒す
瓦礫に頭を打った。痛い
バランスを崩した影に隙ができ、私を引っ張っていた兵がすかさず剣を振り下ろした
そいつは腹を斬られ腸がはみ出している
襲ってきたやつはヤギのような捻れた角をもつ女だった
倒れ伏したまま、
そいつは血走った目で殺意を隠そうともせず、こちらを睨みあげる
何かの呪詛をぶつぶつと呟いてるようだ
すると私を引っ張っていた兵士が血相を変えて女にトドメを刺す
血管を断つ音が聞こえたと同時に鮮血が舞う
今制服なのに、、だから引っ張るなって
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