第1章 とりあえず殺そう

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ざわめく貴族たちが静かになったのを切り口に宰相と思われる男が話し始めた。 「まずは混乱させてしまったことをお詫びします ここはテージオンという星のセルビアン国です そして王座にいらっしゃるお方はデディエ王 私は宰相シシア さて本題に入りましょう 君たちをここへ呼んだ理由は 勇者として魔族をこの大陸から追い出して欲しいからです そしてなぜ魔族が人を襲うのか解明してほしいのです ここまでで質問はありますか」 「ご丁寧にありがとうございます 俺の名前は永瀬 恭平、こちらは友人の川名 忍 では二つほど質問をさせていただきます 俺たちが召喚された時何があったのですか? あとこの世界での魔族の認識を 教えていただきたいです」 恭平の疑問はもっともだ ふつう魔王を倒してくれ、とか この世界の危機を救ってほしい、とかじゃないのか? まあそれは根本的な解決にはならんのだが 「それらについては、私の方から説明させていただきます」 と高位の騎士と思われる男が答えた その男によると、この世界は東西で大陸が分かれており、 西が人間やエルフが住む大陸で、東は魔族や獣人がすんでいるそうだ そして東の大陸は二つの国があり、どちらもこの大陸と貿易をしたり、少数ながら交流もしている しかし、何年かに一度どちらかの国が何の前触れもなく豹変し、見境なく侵略、殺戮の限りを尽くすのだとか 見た目は人となんら変わりはないし、 魔族と人間のハーフも少なくはない そして何より決定的なのは、 西の大陸では作物や資源が乏しく、航海技術がないのだ それゆえ、東の大陸の人々との貿易に頼るほかない
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