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バチコーン(殴る音)
ったく何だよ人が・・・猫が話している最中に
「全国の猫侮辱してんじゃねーよこの厨二猫(ちゅうにびょう)!」
「ゲッ、あいつ等はいつも俺に喧嘩売って来る近所の飼い猫三人組、オルト、メタ、パラ!」
「俺達ベンゼン環の位置異性体じゃねーよ!?俺が智一(ともかず)でこいつ等は祐一(ゆういち)と健一(けんいち)だ!覚えとけ!」
「お前等の主人ぜってー猫好きじゃねーだろ。」
「んだとコラ!?確かに主人は全然遊んでくれねーしBLばっか読んでいる始末だが・・・やべっ、涙出て来た。」
「テメー何智一さん泣かしてんだぶっ飛ばすぞ!?」
コイツが勝手に泣いたんだろーが。
「つーかテメーさっき『圭子さま』って呼んだだろ!?にんべん付けたらどえらい事になってたぞコノヤロー!?」
「少し黙れ健一。ファルコ、今日はお前にお願いがあって来たのだが。」
祐一は健一の顔面に正拳突きをかました。
「お願い・・・だと・・・?」
「そのどえらいネタは止めなさい。」
またもや祐一の正拳突き。
「何で!?」
「お願いと言うのはだな・・・」
「話そらしてんじゃねーよ!」
「実は、最近飼い猫が」
「だが断る!」
「祐一まだ何も言ってねーだろーが!?あとその危ないネタ止めなさい!」
またまた祐一の正拳突き。
「だから何で!?」
「俺が仕えるのは慶子様だけだ。」
「これはお前にも関わる事だ。」
「俺にも?」
「最近『飼い猫狩り』というものが起こっているらしい。」
「はぁ?何だソレ?」
「夜になるとある野良猫が無作為に飼い猫を動物病院送りにするという恐ろしい話だ。」
智一が喋った。
「智一さん!?」
そして祐一の正拳突き。
「俺喋っちゃダメなの!?」
「ダメです。」
「やべっ、涙出て来た・・・」
「で、飼い猫狩りを終わらせる為に俺に頼んだと。」
「ああ。悔しいが俺達よりお前の方が強いからな。」
「飼い猫狩りねぇ・・・」
「引き受けてくれるか・・・?」
「俺は慶子様の家から離れるつもりはない。特に夜となると他の危険な事が起こる可能性が高まるじゃねーか。」
「だがこのままではお前も」
「引き受けねーとは言ってねぇ。そいつが慶子様の家の付近に来たらぶっ飛ばす。それでいいだろ?」
「・・・ああ。それでいい。」
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