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「本気で行くぞォォォ!」
虎がそう言い、俺は闘った。
闘ってから暫く経った。
「お主、中々強いな。町田市最強なんじゃねーか?」
「ハァ・・・ハァ・・・バレたか。」
「やっぱりな。だが一つ不可解な点がある。お主、何故家の門から離れない?」
「警戒してんだよ。テメーが慶子様、主人の家に突っ込む事をな。」
「猫のくせにそんな事考えているのか・・・」
「俺はそこらのぐーたら猫とは違う。何故なら俺は主君に服従し、主君の家を守る番猫だからな。」
「フハハハハ・・・って待て!って事は何だ?その理屈だと犬にも服従型じゃない奴がいるかもしれねーって事か!?」
「ああ。」
「ふざけるナァァァ!そんな事がある訳」
「あるんだよ。猫だから誰かに仕えちゃいけねーっていうルールはねぇ。」
俺は一発マジ肉球パンチで虎をぶっ飛ばした。
「嘘だ・・・嘘ダァァァ!」
「お前、猫は自由気ままな動物だっつったよな?そいつは間違いじゃねーさ。だって『服従する』って選択肢も、自由があってこそのモンだからな。」
「・・・」
「お前等は『自由気まま』の意味をはき違えてんだよ。『自由気ままに生きる』ってのは決して誰にも従わず生きるって意味じゃねぇ。勿論それも自由気ままに生きるっていう選択肢の一つだ。だがたまたまそう生きる猫が多いってだけの話で、世の中には主君に仕える猫もいるんだよ。俺の様にな。」
「つまり何が言いたい?」
「固定概念でそいつの生き様を決めつけてんじゃねーって事だ。」
「・・・成る程な。俺は器の大きさの違いで負けたって事か・・・だがわがままになるのもいいモンだぞ。お前は己の生き方にこだわり過ぎだ。もっと色んな生き方を勉強し、視野を広げる。そうすりゃいつか、東京都最強になれんじゃねーか?」
いや、なる気ねーし。にしても色んな生き方か・・・
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